POSTCARDⅨ

POSTCARDⅨ

                       INTRO DUCTION                       

             作品の六割が中国の国宝 国家一級文物!!              

          

     中国は、黄河や長江などの大河、起伏に富んだ大地に抱かれ、古来 各地に特色ある文化圏を形成してきました。日中国交正常化40周年を記念する九博での 展覧は、初期王朝とされる「夏」にはじまり、「宋」にいたるまでのおよそ3000年の時間を縦糸に、それぞれの時代に栄えた二つの王都や地域を横糸に、これらが織りなす ダイナミックで多彩な世界を紹介している。東京、神戸、名古屋と巡回する「中国の王朝の至宝」が九博にて新発見・日本初公開を含む100点以上の一級文物が勢揃いして いる。     

                       TOPIC 1                        

             古の祭壇に祀られた突き出た目を持つ謎の大仮面             

     突目仮面 殷時代:前13-前11C. 四川広漢三星堆博物館蔵             

                       TOPIC 2                                     秦の始皇帝を現代まで護り続けた男                    

     跪射 俑 秦時代:前 3C. 秦始皇帝陵博物院蔵                  

                       TOPIC 3                         

             戦国時代の粋な装いに腰を彩る金色の猿のバックル             

     猿形帯鉤 戦国時代:前 3C. 曲阜孔子博物院蔵                  

                       TOPIC 4                         

             九博の研究員もド肝を抜かれた!?新発見!!八万四千基の仏塔の最高峰   

     阿育王塔 北宋時代:大中祥符4年(1011)南京市博物館蔵             

                       突 目 仮 面  一級文物                       


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     前へ突き出した大きな目、左右に張り出した耳、その耳の付け根近くまで広がった口、そして額の中央から角のように上へ伸びる突起物が、付いた異形の仮面 だろう。史書に、王朝の始祖が「縦目」だったと記述されていることから、その王を表現したものだとも言われる。漢民族の源流とされる中原の王朝とは、全く、異質な文化が、 長江上流に育まれていたことを物語っている非常に、重要な遺物、一方、殷の遺跡の出土品などもあり、互いに、決して孤立した存在ではなく、交流があったことも分かる。

                        卜 甲                       


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     形体:これは、亀腹甲 長さ 19.8cm 幅 10.2cm。殷王朝では、国の大事や多種多様な事柄を占いによって決定していた。占いには、亀甲や獣骨を用い、表面が ひび割れするように予め加工しておいた裏面に火を押し当て、表面にできたひび割れの仕方によって吉兆を占った。漢字の「卜」という字は、まさにこの占いによってできた ひび割れの形からきたものとされる。この卜甲では、般という人物(第22代 武帝の重臣あるいは将軍)に災いがあるかどうかということが占われ、占いの結果は、”吉”。つまり 災いはないという結果が出たことが刻まれている。また、ひび割れのわきにはそれぞれ数字(一、二、三、…など)が刻まれており、どのような順序で、何回占ったのかという ことも読み取ることができる。     出所:「世界四大文明・中国文明展」     

     殷時代・前13~前11C. 河南省 中国社会学院考古研究所蔵     

                       虎 坐 鳳 凰 架 鼓 一級文物                       


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     戦国時代・前4C. 湖北省 荊州博物館蔵     

                       爵 一級文物                       

                       

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     把手と細長い注口が付いた三足の器で、酒を温めるため用いられていた。中原の初期王朝にみられる典型的な青銅器の一種で、殷の次の西周初期まで流行った。 中国の青銅器は、元来、祭祀儀礼用に制作されたもので、一部の支配者層が制作技術を独占し、彼らの権威の象徴ともなっていた。これ(作品)は、殷時代前半の都城地から 発見された。だから、この種のものは青銅器にあっては比較的古い形で、貴重な作品。     

     殷時代・前16~前15C. 河南省 鄭州博物館蔵     

                       跪 射 俑 一級文物                       


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     秦の始皇帝は独裁者で、自己の権力を使って生前から、自らが入る巨大な陵墓を造営し、そこに死後に続く永遠の安住世界を具現しようとした。その遺産の一つが、 6000体以上もの兵士や馬の人形が埋められていた兵馬俑坑です。この作品も、その兵馬俑の一つで、跪いて射弩を構える姿がきわめてリアルに表現されている。徹底した写実性 と圧倒的な物量を誇る兵馬俑は、始皇帝という無類のキャラによって成立した秦の桁外れな文化の性格を何よりもよく象徴している。     

     秦時代・前3C.  陜西省 秦始皇帝陵博物院蔵     

                       金 製 仮 面 一級文物                       


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     金製の仮面は、幅5cmにも満たない小さな作品ですが、金板を巧みに加工して、神か人かの顔貌を表現している。金をふんだんに使用したり、人の形ないしその一部を 造形化するのは蜀文化の特徴の一つで、青銅や玉によってもっぱら祭祀儀礼具を作り続けた中原文化と大きく異なる点です。この仮面が出土した金沙遺跡は、今の四川省成都市の西 郊外にあり、少し北にある三星堆遺跡とともに、古代蜀文化の存在を明らかにした。     

     殷~西周時代・前12~前10C.  四川省 成都金沙遺址博物館蔵     

                       阿 育 王 塔 一級文物                       


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     南京市の古刹・長干寺の地下から近年出土した新発見の仏塔。高さが優に1m以上、この種の遺品の中では最大のもの。阿育王塔は、古代インドのアショカ王(阿育王)が 八万四千の仏塔を造立したという故事に因んだものですが、ここに見る形式は、五代(呉越)の銭 弘シャクが制作させた八万四千塔に模倣したものとみられます。ただし、銭 弘シャクの 仏塔は、高さ30cm内外にとどまり、こんな巨大な制作例は一つもありません。他を圧倒する大きさ、細部まで克明に表現され、バラェティに富んだ図像、仏骨をはじめとする珍奇で多彩な 副葬品など、どれをとってもこの種の仏塔としては規格外の規模と優れた出来栄えを誇ります。そのため、中国の関係者は、これを「塔王」(仏塔の王様)と称し、驚異と賛嘆の念を持って 接しています。今回、中国政府の特別な計らいにより、地元南京市以外では初公開です。     

                       阿 育 王 塔 (部分) 一級文物                       


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                       金 製 龍                       


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     根強い人気の龍は、運気上昇・出世開運など、吉兆の象徴として中国では古代からの信仰でもある。     

     北宋時代・11~12C.  浙江省 浙江省博物館蔵     

                       人 頭 像 一級文物                       


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     殷時代・前13~前11C.  四川省 四川広漢三星堆博物館蔵