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ユニセフシンポジウム 2013


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                    熊本県ユニセフ協会 会長 谷口 功                    

   1993年に我が国の提唱で始められた「アフリカ開発会議」の第5回会議が昨日まで横浜で開催されました。この会議に出席されたユニセフ本部のアン ソニー・レイク事務局長をお迎えして、記念講演会とパネルディスカッションで構成するユニセフシンポジウム2013をここ熊本で開催させていただきます。ユニセフ 本部事務長のご来熊は2004年のキャロル・べラミー事務局長に続いて二度目です。熊本ユニセフ協会は、昨年の設立20周年を経て、皆様のご支援の下に新たな出発を させていただいたところです。本シンポジウムはこのスタートにふさわしい構成となりました。ユニセフ活動の基本理念は子どもたちの未来をみんなの力でつくりだ すことにあります。本シンポジウムは、全ての人の命が大切にされ、その生活や尊厳が守られることの大切さについて考え、また、輝く未来を創りだす力を生み出す チャンスになるものと確信しています。基調講演として、ユニセフ事務局長アンソニー・レイク氏には、アフリカ開発会議の様子を含めてユニセフのミレニアム開発 目標とそれに向けた取り組みについてお話いただきます。さらに、日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャン氏には、ナイジェリアの近況についてご報告いただきます。 また、パネルディスカッションでは「アフリカの子どもの日in Kumamoto:20年の歩みから見えてきたもの」と題して、ルワンダの教育を考える会理事長のカンべンガ・ マリールイズ氏、熊日編集委員の井芹 道一氏に加えて、「アフリカの子どもの日」in Kumamotoで活躍いただいた若者代表として、タンザニアから東大に留学中のブルー ノ・フォーカス・サングワァさんと九大学生の内尾 晶子さんをパネリストとして迎え、ご参加の皆様と共に世界の子どもたちの未来について議論したいと思います。 結びに、本シンポジウムの開催に当り協力をいただいた九州各地域のユニセフ協会の皆様、後援いただいた外務省、熊本県、熊本市、各教育機関等の数多くの関係団体 の皆様に心より感謝申し上げます。また、本シンポジウムの講演者はもとよりご参加いただいた皆様一人一人に心から御礼申し上げます。   2013/6/4     


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                    ユニセフ事務局長 アンソニー・レーク                    

    世界の子どもたちのために日本の皆様と日本政府から寄せられている驚異的な規模の支援に対し感謝の意を表わします。2010年のユニセフ総収入は36億8200万米 ドルでした。その中で、米国(政府協力額340,671,000米ドル・ユニセフ委員会協力額128,751,000米ドル⇒469,422,000米ドル)・日本(政府協力額175,046,000米ドル・ユニセフ 委員会協力額193,605,000米ドル⇒368,651,000米ドル)の二国間で838,073,000米ドルは22.76%を占めている。全世界でこの二国が5分の1の支援金を拠出したことになる。それらは、 ユニセフ中期事業計画重点分野別プログラムに支出した。その割合は、子どもの生存と成長 50%、基礎教育とジェンダーの平等 21%、政策提言とパートナーシップ 11%、子どもの 保護 10%、HIV/エイズとの闘い 6%、その他 2%に使用された。これは地域別プログラムに支出があった。サハラ以南のアフリカに 52%、アジア 27%、ラテンアメリカとカリブ海諸国 9%、地域間にまたがるプログラム 5%、中東と北アフリカ 4%、CEE/CISとバルト海諸国 3%に配分された。ユニセフは、中期事業計画の中で国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成を 他の国連機関や国際社会とともに目指している。ミレニアム開発目標とは、2000年9月の国連ミレニアムサミットで採択された国連ミレニアム宣言に示された課題と、90年代に採択された 国際開発目標を統合しまとめたもので、8つの項目において2015年までに達成すべき具体的な数値目標を掲げています。MDGs ①極度の貧困と飢餓の撲滅 ②普遍的初等教育の達成 ③ ジェンダーの平等の促進と女性の地位向上 ④乳幼児死亡率の削減 ⑤妊産婦の健康の改善 ⑥HIV/エイズ、マラリアその他の疾病の蔓延防止 ⑦環境の持続可能性の確保 ⑧開発の ためのグローバル・パートナーシップの推進     


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                    日本ユニセフ協会大使 アグネス・チャン                    

    2013年4月にナイジェリアをユニセフミッションで訪ね、貧富の差で苦しむ子ども達の現状を視察した。マスコミに広く報告中、それによると、ナイジェリアの海上スラム街 と言っていいような所、粗末な建物とはとてもとてもの処、汚い箱のような物の中で子ども等は生活している。海水は塵・汚物・芥が流れ込んでいる。その上、排尿は言うにおよばず排便も 垂れ流しプカプカ浮いているような場所。全く不衛生な環境の中で場所だ。それでも、子供たちに接してみると、子ども達は、目をきらきら輝かせながら、人懐こく話しかけてくる。「勉強が したい!」「先生!」「医者になりたい!」と将来の輝く夢を語ってくれるのであったと。   彼女は、『私たちは一番弱い子どもの声になりたい。一緒に活動してくれませんか』と言われた それが彼女がユニセフ大使に誘われた時のユニセフからの言葉であったと。   著作:『わたしが愛する日本』では、日本の平和を目指す提言を行っている。    


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カンべンガ・マリールイズ
ルワンダ共和国:1965年に父の赴任先のザイール(現コンゴ民主共和国)で生まれる。1986年にルワンダの首都キガリの専門学校に洋裁教師として赴任。1993年5月から1994年3月まで、青年海外 協力隊現地協力員として福島文化学園で洋裁の研修を受け帰国。1994年4月にルワンダで内戦が勃発し、隣国ザイールへ避難。12月に研修生時代の友人らの尽力で家族そろって再来日。2000年に「ルワンダ の教育を考える会」創設し、2010年6月に同会理事長に就任。福島県在住。

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ブルーノ・フォーカス・サングワァ
タンザニア:タンザニアから東大大学院国際保健学専攻国際地域保健学教室の博士課程に留学中。「アフリカの子どもの日」in Kumamotoで留学生のリーダーとして数年にわたって活動。タンザニア、ダル エスサラーム大学で医師の学位を取得。ムヒンビリ国立病院の産婦人科での2年の就労経験、WHO本部の栄養・保健省で3ヶ月のインターン経験を有する。東大大学院で国際保健学修士号を取得。現在は主にHIV 陽性小児の低栄養に関する研究に従事。特に、タンザニアのヘルスワーカーが小児の低栄養の原因に対処できるようになるための栄養トレーニングを通し、HIV陽性小児の摂食行動と栄養状態を向上させるための 研究を行っている。将来は、途上国の小児の健康増進、特にサブサハラ地域の小児の健康増進に向けて、臨床と研究の両方の分野で貢献したいと考えている。

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井芹 道一
熊日 編集委員。新聞記者。1954年生まれ。慶応大卒。 カリフォルニア大バークレー校留学後、1980年熊日入社。東京支社編集部長、論説委員を経て、2007年に熊大教授として出向、法学部で「水俣病と世界 の水銀問題」を担当する。熊日に復職後、政経部長兼論説委員など。2001年から欧米、アジアの水銀国際会議に参加し、科学者らを取材している。著書に「Minamataに学ぶ海外ーー水銀削減」。

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内尾 晶子
九大学生。熊高在学中「アフリカの子どもの日」in Kumamotoで実行委員として活動。JICA国際協力レポーター2012としてウガンダを訪問。高校2年の時、「アフリカの子どもの日」の実行委員をきっかけにウガン ダに興味を持ち、現在も九大にてウガンダの文化を学ぶため勉強中。(ネリカ米についても高校2年時から調べており、昨年、ナムロンゲ国立作物資源研究所を訪問。またネリカ検定3級を持つ。(現地のJICA専門家 坪井達史が独自に実施されている検定)。

                    子どもたちのためのユニセフの主な活動                    


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