POSTCARDⅩⅢ

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                       水戸岡 鋭治の世界                       


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上より、「みどり」「885 EXPRESS」「787 EXPRESS」「海幸山幸」「あそぼーい」「MIDORI EXPRESS」「九州横断特急」       「ソニック」「いさぶろう しんぺい」「指宿のたまて箱」「はやとの風」 

水戸岡鋭治(1947年~)岡山市吉備津(現:北区)出身。日本のインダストリアルデザイナー、ドーンデザイン研究所代表取締役、JR九州デザイン顧問、両備グループデザイン顧問 おかやま夢づくり顧問、公益財団法人石橋財団理事。59回菊池寛賞受賞。1972年、ドーンデザイン研究所設立し、家具・建築のデザインが中心であった。脚光を浴び始めたのはJR九 州の車両デザインである。「ホテル海ノ中道」→アートディレクションを手がけて以降、JR九州の列車・駅・広告デザインに携わるようになる。 

                       JR九州関係                       

 ○ 海ノ中道へ向かう香椎線用のジョイフルトレイン『アクアエクスプレス』。キハ58系 気動車を改造したもの。 

 ○ その後、熊本駅改装、それとキハ200形 気動車のデザイン。 

 ○ 1992年: 787系電車『つばめ』→ブルーリボン賞、ブルネル賞なる鉄道関係の賞だけでなく、グッドデザイン認定やパナソニック電工のライティングコンテスト最優秀賞受ける。          国内外から高評価を得た。 

 ○ 1995年: 奇想天外なデザインで話題となった、883系電車『ソニック』。 

 ○ 2000年: オール革張りシートにフローリング床の組合せ登場した在来線特急の集大成と言われる885系電車『かもめ』。 

 ○ 2004年: 西陣織シート、簾、い草、さらには金箔(1000番台・2000番台)と言った和のテイストを車内に持ち込んだ、九州新幹線800系電車『つばめ』を生み出し、JR九州が標榜          した鉄道ルネサンスを具現化していった。 

 ○ 2013年10月: 一旦は衰退した寝台列車の復活を目指していると語っている、水戸岡氏は、九州内を巡る豪華寝台列車『ななつ星in九州』の運行が開始された。 

 ○ 故郷 岡山 : 市民グループ「路面電車と都市の未来を考える会」(RACDA)からの要望を受け、両備グループの岡山電気軌道に初めて超低床電車『MOMO』のデザインを担当。この後、            両備グループデザイン顧問に就任し、両備ホールディングスや岡山電気軌道のバス、両備フェリー『おりんぴあ どりーむ』、両備不動産の分譲マンション            のデザインを行った。 

 ○ その他の活動:和歌山電鐡の「たま電車」、富士急行の「富士登山電車」などのでざいんを手掛けるなどを行っている。 

 ○ 追加: 2011年、「九州新幹線など数々の斬新な鉄道デザインを手掛け、列車旅の世界を革新した」として菊池寛賞を受賞。 

                       水戸岡鋭冶デザイン作品                       

新規:

・熊本駅(1991)・ハウステンボスジェイアール全日空ホテル(1995)・鹿児島中央駅(1996)・キハ72系(1999)-特急「ゆふいんの森」3世・直方駅(2011)・大分駅(2012)-高架化による新駅 および豊後にわさき市場・77系客車(2013)-観光寝台列車「ななつ星in九州」・牽引ディーゼル機関車(2013)-観光寝台列車「ななつ星in九州」-DF 200形7000番台(2013) 

改造及びリニューアル:

 ・キハ183系1000番台気動車-ゆふいんの森Ⅱ(1992)→シーボルト(1999)→ゆふDX(2004)→あそぼーい(2011)・713系電車(1996)-サンシャイン(宮崎空港シャトル列車・国鉄キハ40系気 動車(2004)-いさぶろう・しんぺい、はやとの風、指宿のたまて箱(2011)、・キハ185系気動車-九州横断特急(2004)、A列車で行こう(2011)、・50系700番台客車-「SL人吉」用リニューアル (2009)、・JR九州キハ125形400番台気動車-海幸山幸(2009) ※これは、元高千穂鉄道TR400形気動車だ。そうして、三角駅、阿蘇駅(共に2011) リニューアル 

                       水戸岡鋭治氏の言葉                       

     日本機械学会誌 2010.3 Vol.113 No.1096 コピー・ペー。     

 岡山県立工業高校で工科デザイン科インテリア学科に入り、加藤先生が「デザインは合理性ではなく情緒である」と合理性より心が大事、経済性より文化が大事であると、試験では、 いつも原稿用紙1枚に「デザインとはなんぞや?」とだけ書いてあり、学生はそれを考えました。そのお蔭で今でも「デザインとはなんぞや?」と常に考えています。これが自己の原点で ある。鉄道やバス、船の専門的な知識はありません。しかし、デザインの本質はどれも一緒だ。誰の為、何のためを決めてから、次に何を如何にするか、それは、形、色、素材、その使い 勝手と決定して行くのだ。建築もインダストリアルデザインも本当は全部一緒であることを、ヨーロッパでの経験を通じて解かった。だから、鉄道、バス、船、駅までのデザインにしても 不安は無かった。又、一緒に旅をした人の多くが、人間互いにコミュニケーションをとろうと努力している。それも、長時間一緒に過ごすので、お互い、何を思っているかを伝え合うこと は、安全に心地よく旅するために、すごく大事なことです。そしてコミュニケーション能力はすごく大切で、これが出来ないと、物事が進まないし、物作りの現場では、対話によって全て が決まり、対話能力の高い人は、高品質のものを作れます。そうやって良い製品や心地よい空間を増やしていくことで、皆の暮らしが豊かになれるのです。自分が心の中で思っていること を正直に、正確に、相手に伝える。それが一番大事なこと。会話を交わすということは、イマジネーションの闘いです。だから、豊かな会話さえあれば、後は大したことをしなくとも、十分 に豊かになれます。常に考えることです。心地よい空間を作れば、人間はリラックスして、楽しくなり、笑顔になり、一言喋りたくなり、歌いたくなり、そういう空間を作ることがデザイン の仕事だと。この豊かな対話というのは、精神的にも、肉体的にも、心地よい環境でなければ、なかなか実現しない。その為に、素材、色、形、使い勝手のすべてをデザインしなければなら ない。それらが全て揃った時に、自ずと心地良さが生まれて、豊かな気持ちになれて、対話が生まれてくる。JR九州の車両は手間が掛かっています。プラスチック樹脂の代わりに、なるべく 天然の素材を使っているし、そんな細部の積み重ねが、質の高い車両であり質の高い空間を生み出しています。