曼珠沙華
曼珠沙華
2013/09/27 下江津園地にてのフォト。
ヒガンバナのこと
ヒガンバナ科ヒガンバナ属多年草。曼珠沙華(サンスクリット語 :manjusaka の音写)学名:Lycoris radiata, 学名の種小名 radiata は「放射状」の意味。全草有毒
な多年草の球根性植物。散形花序で6枚の花弁が放射状につく。9月中旬に赤い花をつけるが、中に混じって稀に白い花も。その姿は独特で、夏の終わりから秋の初めに高さ30~50cm
の枝も葉も節もない花茎が地上に突出し、その先端に苞に包まれた花序が一つだけ付く。苞は破れると5~7個前後の花が顔を出す。花は短い柄があって横を向いて開き、全体として
すべての花が輪生状に外向きに並ぶ。花弁は長さ4cm、幅約5mmと細長く、大きく反り返る。晩秋には30~50cmの線形の細い葉をロゼット状に出す。葉は深緑でつやがある。葉は冬中は
姿が見られる。しかし、来春になると、枯死。秋が近づくまで地表面には何も無い。
日本全土に分布。自生でなく、中国からの帰化植物。それは稲作伝来時に土と共に、鱗茎が混入して広まった。モグラ、野ネズミ類を避けるために有毒な鱗茎をあえて持ち込
み畦や土手に人が植えたとも考えられる。鱗茎は薬になり救荒食でもある。そのような有用植物として働きを熟知しての運搬の可能性もある。
人里に生育するもので、田畑の周辺や堤防、墓地などに見られる。田畑の縁に沿って列をなすときには、花時に見事な景観をなす。湿地を好み、水で洗われて球根露出している
のを見ることがある。山間部森林内でも見られるのは、過ってはそこが人里であったから。
また、日本に存在するヒガンバナ全て遺伝的に同一、三倍体。それで、種子で増えることができない。中国から伝わった1株の球根から、日本各地に株分けの形で広まった
そうである。
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全草有毒ことに、鱗茎:アルカロイド(リコリン、ガランタミン、セキサニン、ホモリコリン等)を多く含む植物。誤食によって、吐き気、下痢、ひどい場合には中枢神経麻痺を
起して死亡する。この花は、目的を持って人為的に植えられたと言えよう。ネズミ、モグラ、虫など田を荒らす動物が有毒植物を嫌って避けるようにと、虫除け及び土葬していた時代には、
死体が動物によって堀荒らされる防止の為(墓地周辺)。モグラは肉食のため、ヒガンバナに無縁という見解もあるがエサのミミズがヒガンバナを嫌って土中に住まない。そのために、この
草の近くにモグラが来ないという。
有毒なので、「農産物でない」と評価されて、つまり、この周辺の米は、年貢の対象外とされたため、救荒作物として田畑や墓の草刈りのついでに栽培された。
花が終わった秋~春先にかけて、葉だけになり、その姿が食用のノビルやアサツキに似ているため、誤食してしまうケース有り。
別名 曼珠沙華は法華経などの仏典に由来:”天上の花”と。仏教でいう曼珠沙華は「白くやわらかな花」であり、ヒガンバナの外観には似ても似つかぬもの(近縁種にナツズイ
センの花は白い)。
異名が多い、→死人花、地獄花、幽霊花、剃刀花、狐花、捨子花、はっかけばばあと呼んで、日本では不吉であると忌み嫌われることもあるが、反対に「赤い花・天上の花」の意味で
めでたい兆しとされていることもある。