3月の花②
3月の花②
南阿蘇 野草園にて 黄色の花
フクジュソウ―――OUTLINE
キンポウゲ科の多年草。別名、元日草・朔日草(ついたちそう)と言って春を告げる花の代表。日本では北海道~九州に広く分布する。北海道や東北に多く自生している。生育環境は、
やゝ湿った落葉広葉樹林の林床で、特に石灰岩地を好むらしい。花期は初春であり、3~4cmの黄色い花を咲かせる。当初は茎が伸びず、苞に包まれた短茎上に花だけが着くが、次第に茎や葉
が伸び出てくると、幾つかの花を咲かせる。花弁を使って日光を花の中心に集め、その熱で虫を誘引している。虫たちとしてハエ・ハナアブの仲間が多い。フクジュソウの鮮やかな黄色に誘
われて、次々と虫たちがやってくる。この花の咲く頃は、まだ寒く虫は少ないが、その少ない虫たちを引き寄せる戦略は…光を良く反射する花弁を開き、太陽光を集めるパラボラ太陽光の
ような働きで、虫を温めるサービスを行っている。花の上で温められ、元気になって次のフクジュソウに飛び、また、冷めた体を温める。この時、花粉が運ばれ受粉できるという高等な戦術
を駆使しているのである。フクジュソウは、他の植物と競争することを避け、雪が解けるとトップに咲くことによって生き延びてきたと言われている。「弱肉強食」では無い、見事に「棲み分け」
で多様性を維持してきた植物である。――太陽光に応じて花弁を開閉する、葉は細かく分かれている。夏になると地上部は枯れる。初春に花を咲かせ夏までに光合成を行い、それから春まで
地下で過ごす。スプリング・エフェメラエルである。根はまっすぐで太いものを多数もつ。なお、毒草である。
参考資料 ●あきた森づくり活動サポートセンター総合情報サイト ●ウィキペディア より