彦根

彦根

彦根城

通称 城の構造 天守構造 築城主 城主 廃城年 遺構 指定文化財 再建物
金亀城 連郭式平山城 複合式望楼型 3重3階地下1階(1604年築) 井伊 直継 1622年 井伊氏 1874年 現存 天守、櫓、門、塀、馬屋、石垣、土塁、堀 国宝(天守等2棟) 国の重文(櫓、門、馬屋等5棟) 国の特別史跡) 御殿

              彦根城について              

   江戸時代に彦根市金亀町にある彦根山に、鎮西を担う井伊氏の拠点地としての平山城である。山は「金亀山」の名を持つため、この城を金亀城(こんきじょう)とも呼ぶ。多くの大老を輩出した譜代大名である井伊氏14代の居城だった。明治初期の廃城令に伴う破却を免れ天守、附櫓(つけやぐら)・多門櫓の他、安土桃山時代~江戸時代の櫓・門など5棟が現存し、国の重文指定となっている。中でも、馬屋の重文は全国的に稀少だ。これには、大隈重信の上奏により1877年(明治11年)建物が保存されることとなったのだと言う。又、天守が国宝指定された四城の一つ。   

              構造について               

   現在例の少ない、倭城築城の技法「登り石垣」が良好な形で保存。このお城の北側には玄宮園・楽々園という大名庭園が配置。ここも「玄宮楽々園」として国の名勝指定を受けている。   

              彦根の地理的なこと            

   湖と山の間、5km程の狭い平地に立地。ここ彦根は、中山道と北陸道または、北国街道とも言う。このニ街道が合流し、水陸から京に至る東国と西国の結節点であって、壬申の乱(672年)・姉川の戦い(1570年)・賤ヶ岳の戦い(1583年)・関ヶ原の戦い(1600年)など、古来、多くの合戦がこの地域でくり広げられた。すなわち、戦略拠点地として、織田信長は佐和山城に丹羽長秀を入れ、ほど近い長浜城を秀吉に与えている。また、豊臣秀吉と徳川家康はそれぞれ譜代筆頭となる石田三成と井伊直政を、この地:「彦根」に配置した。   

              彦根城の建築には             

   御城の建築物には、近江の名族京極高次が築いた大津城からの天守をはじめ、佐和山城から佐和口多門櫓と太鼓櫓門、小谷城から、西ノ丸三重櫓、観音崎城からや、どこのものか不明とされている太鼓門、などの移築伝承が多々あり。建物や石材の移築転用は縁起担ぎの他に、コスト削減・工期の短縮の為と言われている。名古屋城・岡山城・姫路城・福岡城・熊本城など多くの城に同様の伝承が伝わっている。天秤櫓は長浜城から移築と言われている。この天秤櫓は、堀切の上の掛橋を渡った突き当りにあたる、長い多門の左右の端に2重2階の一対の隅櫓を構え、あたかも天秤ばかりのような独特な形。次に、通し柱を用いず、各階ごとに積み上げられた天守は、3層3階地下1階の複合式望楼型で「ごぼう積み」といわれる石垣で支えられ、2重目以上の窓はすべて華頭窓を配置し、最上階には実用でない外回り縁と高欄を付けている。各重に千鳥破風、切妻破風、唐破風、入母屋破風を詰め込んだように配置しており、天守は変化に富む表情を見せる。大津城天守(4重5階)を3重に縮小して移築したといわれ、昭和の天守解体修理(1957~1960年)の時にそれが確認されている。   

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