2003年夏
2003年夏
上高地・乗鞍高原 3>
カテゴリー : アーカイブスでしょう。
上高地からの穂高連峰
穂高連峰は、中央少し西側の大きい独立峰が、奥穂高岳(3190m)、東隣に涸沢岳(3110m)、1番東が北穂高岳(3106m)、そして奥穂高岳の西隣が前穂高岳(3090m)と連なっている。奥穂と涸沢岳の間に
見える三角形の雪のエリアが涸沢カールです。「上高地」:梓川上流で景勝地だから一般の人々が沢山訪れる。中部山岳国立公園の一部で、特別名勝・特別天然記念物に指定。標高1500mの地域。現在の
「上高地」表記は、元来は、「神垣内」(かみこうち)と言われ、穂高神社の祭神・「穂高見命」(ほだかのみこと)が穂高岳に降臨して、この地・穂高神社奥宮と明神池にて祀られている。ことに由来す。
温泉があり、穂高連峰・槍ヶ岳の登山基地。なお、此処は、北アルプスの谷間で、大正池~横尾迄の前後10km、エリア幅最大1kmの堆積平野。過って、岐阜県側に流れていた梓川が焼岳火山群の噴火で流
れを止められて、池が出来た。そして、これは土砂堆積に由来。観光名所として「賑う」のは、河童橋周辺だけである。気候では、落葉広葉樹林帯と亜高山帯針葉樹林のグレンツの高度に位置し、ブナ・
ミズナラ・シナノキ・ウラジロモミジ・シラビソ・トウヒ等 両方の森林要素が混在し、その上にヤナギ類やカラマツを中心とする河川林が広大な上に湿度が高く、植生は非常に豊富である。ウルム氷期
――最終氷期には上高地の上部にある槍沢と涸沢には山岳氷河が発達し、最も拡大であった時期には氷河の末端が横尾にまで達した。それがカール地形として残っている。亜寒帯湿潤気候である。気温に
について:1月平均気温 ー20℃~-7.7℃ 8月平均気温 19.7℃~22℃で夏季は非常に涼しい。だから避暑地・観光地に最適なのだ。
梓川から見た穂高連峰
梓川は、松本市を流れる信濃川水系 - 犀川上流域である。松本市北面に位置する飛騨山脈・槍ヶ岳に水源を発す・そして南へ流下する。上高地で大正池を形成して、梓湖に入って行く。島々で
東に向きを変える。この当りから、下流には、流れが「右」に波因と、「左」の梓川は河岸段丘が続く。松本市島内で奈良井川と合流して「犀川」となる。梓川は利水・発電用・灌漑用水として利用。
周辺には、松本市・安曇野市が在る。
「乗鞍岳」について
飛騨山脈(北アルプス山系)南部の位置で松本市と高山市にまたがる剣ヶ峰(3026m)を主峰とする山々の全てを言う。山頂部のカルデラを構成する最高峰の剣ヶ峰、朝日岳などの8峰を含め、
摩利支天岳、富士見岳など23峰があり、広々とした裾野になっている。高山市などから大山容を望むので皆に親しまれている山である。
「OUTLINE DATA」
山林は岐阜・長野に跨がる活火山で日本で19番目の高山である。火山ランク――活火山ランク C ランク。山頂部に噴気ゾーンは無。最新の噴火は、2000年前の恵比寿岳での噴火のデータは有る。
1934/12/04、中部山岳国立公園に指定された。長野県側の麓には溶岩流で出来た乗鞍高原が広大だ。1949年、岐阜県道の観光道路で標高2702mの畳平迄、バス運行出来るようになると、大衆化して、現在も、
賑っている。一方、長野県側~畳平迄、乗鞍エコーラインが開通して、山麓にはスキー場が建設され周辺には温泉地があり、四季を通じて美景観に恵まれ、この山のゾーン一帯は観光地・保養地として発展
している。
「OUTLINE DATA」
火山としては、富士山、御嶽山、に次いで3番目の高所にある。複数の火山から成っている複合火山。古期・新期乗鞍火山で構成されている。現在の山容は約9000年前に出来上がった。山頂部は南北
6km、山体は安房峠(北)~野麦峠(南)15kmほどあり、東西に 30km、山域面積は、約250k㎡と裾野が広大である。乗鞍高原など8つの平原がある。
現在の状況
100年の火山活動指数と1万年の火山活動指数が共に低い火山である。―― 「活火山ランク 0」指定、2009/06、火山噴火予知連絡会により、山体浅い部分に地震活動が認められているこよから、過去
100年以内に火山活動の高まりが認められている火山として、火山防災のために監視・観測体制等の必要がある火山の一つの指定を受けている。周辺では気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、名古屋大学
により地震計、傾斜計、空振計、GPS、遠望カメラが設置されて火山活動の観視と観測が行われている。気象庁は2007/12/01、噴火予報を「平常」の発表、「噴火警戒レベル対象外火山」と発表。但し、1000年
以上噴火無しは、そろそろ噴火をしても良い時期と考える火山学者もいる。2014年の木曽御嶽山噴火災害を受けて、ハザードマップが作成されていない状態の解消を目指し、乗鞍防災協議会設置のための火山
対策検討会議が行われた。
畳平と鶴ヶ池
畳平の東にあり、名称は鶴の形状に似ていることに因む。
不消(きえず)ヶ池と雪渓
富士見岳と摩利支天岳の間にあり、真夏でも雪の残ることがある。
大雪渓とスキーグループ
コロナ観測所
1949年―― 東大東京天文台の付属施設として摩利支天岳の山頂に乗鞍コロナ観測所が建設され、1950年、萩原雄祐によりコロナグラフが設置された。この建物の老朽化により、2010年3月末に、自然
科学研究機構本部は閉鎖された。2011年に、自然科学研究機構本部は、移管され、共同研究利用施設「乗鞍観測所」として利用される様になっている。
蚕玉岳(こだまだけ)①
蚕玉岳(こだまだけ)②
乗鞍山頂~剣ヶ峰 ①
乗鞍山頂~剣ヶ峰 ②
乗鞍岳の峰々
剣ヶ峰からの方角と距離で示す。
大黒岳 2772m 北北東に2.4km
富士見岳 2817m 北に1.7km
摩利支天岳 2872m 北に1.2km
蚕玉岳 2979m 北北西に0.2km
剣ヶ峰 3026m センター 0m
大日岳 3014m 南南西に0.3km
権現池
権現池は山頂直下面に在る。高天ヶ原火山体の活動終期に出来た。コバルトブルーの火口湖で非常に綺麗な湖。木曽御嶽山の二の池次ぐ、日本で2位の高所にある湖池である。
ホシガラスと雪渓
|
ホシガラス――スズメ目カラス科ホシガラス属。分布:この鳥2種あって、ホシガラス、ハイイロホシガラスがいる。旧北区にホシガラスが生息して、日本は旧北区(主にユーラシア大陸)に属する。
ホシガラスは非常に広いエリアに分布(広大な冷帯針葉樹林に生息場所とする)している。日本には四国以北の高山帯~亜高山帯で生息。形態:体長32~37cm、体長や嘴はカラスと比較して同じか少し大きい
頭部は冠羽無し、体色は、チョコレートの様な黒茶色だが白い斑点が縞をなしている為、星空の様に見える。これが日本名の「ホシ」ガラスに由来。翼と上尾は青光沢のある黒色を呈す。生態:重要な食物
は、各種のマツのタネ(種子)で、寒冷な気候に生育し大きな種子を持つマツであるストローブス亜属の各種、カザンマツ、スイスマツ、チョウセンゴヨウ、マケドニアマツ、ハイマツ、シベリアマツ、ヒマラ
ヤゴヨウ、デュカンポビヌス亜属の2種、シロマツ、チルゴザマツを食用に利用する。これらのマツのいずれも分布しないエリアでは、トウヒの種子及びハシバミの実もまた重要な食物である。ハシバミを食べる
個体(ホシガラス)では、その固い殻を割るのに役立つ大きな嘴をもっており、その根元近くの端には特別な隆起がある。実の殻が固すぎる場合は、実を足の間に抱えて嘴を鑿の様に使って割って終了。ホシガラス
は、余った種子を後利用のため貯蔵する。―― このことにより、嗜好するマツ類が植え付けられる。中部ヨーロッパのアルプス山脈では人間によりスイスマツが広範囲に伐採されてしまったが、これをホシガ
ラス達は「再造林」してしまったのだ。他に、多様な昆虫、鳥の卵、巣の中の小さなヒナも捕食する。罠にかかった動物の肉や、餌として用いられる魚の肉も食べる。マルハナバチやスズメバチの巣を幼虫を目当
てに熱心に巣を掘ることもある。ホシガラスは、その生息するエリアで最も早い時期に巣作りをする鳥類、そために前年の秋に貯蔵されたマツの種子を活用する。営巣場所は針葉樹(広葉樹の利用もある)の上で、
普通は陽の当たる側である。通常2~4個の卵を産み、孵化迄に17~19日かかる。日本においては♀♂協同で抱卵するが、ヨーロッパは♀が抱卵する。♀♂共にヒナに餌を与え、普通巣立迄には約23日経過する。し
かし、更に、2~3ヶ月両親の元にとどまって、厳しい環境での生存に必須の貯食の仕方をラーニングしている。鳴き声はカケスに良く似ており、大きくてしわがれている。マツの実が不作で食糧不足が起きると、
一斉に生息エリアを離れることがある。東部の分布している嘴の薄いホシガラスの個体群に多い。
富士見岳 ①
富士見岳 ②
コマクサ
ケマンソウ亜科コマクサ属の多年草である高山植物。美しい花である、他の植物が生育できない厳しい環境――常に砂礫が動いている処に生育する。→「高山植物のクイーン(女王)」と
呼ばれている。日本名は花の形が駒(馬)の顔に似る。―由来。高さ5cm、葉は根生葉で細かく裂け パセリ様、花期は7~8月、茎は10~15cm、紅色の花。花弁は4個、外・内と2個づつ、外側の
花弁は下部がふくらんでいる。先が反り返り、内側の花弁はやゝ小さく、中央がくびれ、中央くびれ上端は合着。萼片は2個で、早く落ちる。長根(50~100cm)であり、単独の群落が多い。毒性
は全株が有毒。微量のアルカロイドのディセントリン・プロトピンなどのモルヒネ様物質の成分を含有している。 花の分布は、千島・樺太・カムチャッカ半島シベリア東部の東北アジアと日本
では、北海道~中部地方の高山帯の風衝岩屑斜面等の砂礫帯の好位置に咲く。主な群生地は大雪山系、白馬岳、蓮華岳、燕岳等で大群落を形成し、乗鞍岳も群落有り。
クロユリ
ユリ科バイモ属の高山植物で、別名エゾクロユリとも。多年草であって、地下茎――鱗茎で多数の鱗片から成っている。直立で高さ10~50cm、3~5輪する葉が数段に渡って付く。葉は
長さ 3~10cm、披針形~長楕円形を呈している、質は厚く表面は艶がある。基部(根元)へ葉柄無し。花期 6~8月、花の形状は、鐘状で、茎先に1~数個下向きに付ける。花被片(花びら)は6個、
長さは、25~30mmの楕円形で暗紫褐色または黒紫色になり、網目模様があり、内部基部は腺体。雄蕊6個、花柱は基部から3裂している。花臭は、悪い臭がする。この分布は、中部地方以北・北海道
千島列島、サハリン州、カムチャッカ、北アメリカ西部に広がって、高山帯の草地に咲いている。
チシマギキョウ
キキョウ科ホタルブクロ属 多年草、北海道~中部地方以北の高山帯の岩場とか砂礫地に生える。花期は7~8月、花色-青紫色、大きさ4cm程、縁に短い白い細毛が付着、草丈100cm程、花は
5裂した鐘状、好適地――2500m以上の砂礫地または岩の隙間を選ぶ。ついでに、イワギキョウと異なる点とは、花の付け根にあたる「蕚」があっても、イワギキョウは細く縁に鋸歯有り、チシマ
ギキョウは「蕚」は広く縁には鋸歯無し。花冠はイワギキョウに比べてチシマギキョウは少し長い。並んで咲いていたら、区別はつきやすいけど、別々の場所で咲いていたら判別し難い。だろう。
チングルマ
バラ科ダイコンソウ属の落葉小低木の高山植物である。DATA:東日本(北海道~中部地方以北)、アリューシャン列島、カムチャッカ半島へと。高山の雪渓・周辺の草地や砂礫地に生える
。花弁は5枚で、多数の黄色い雌蕊と雄蕊有り、高さは10cm、枝は地面を這い、群落形成す、葉は羽状複葉、花期6~8月、花茎の先 3cm程の白い花を1個咲かせる、花冠は5枚で、花の後は、花柱は
伸びて放射状に広がる。日本名のチングルマは、この実の形が子どもの遊んでいる風車(かざぐるま)に見えたことから稚児車(ちごくるま)から転じて付けられた。大雪山旭岳周辺の登山道沿い
に、数100mも続く大群落が有名である。黒部五郎岳を代表する高山植物の一つである。
ハクサンイチゲ
キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草植物。DATA:高山植物の代表種で、中部地方以北~東北地方の亜高山帯へ、亜高山帯~高山帯へ、そして、高山帯~高山帯の湿潤な草原に生育する植物。
花は6~8月に咲き乱れ、しばしば雪渓が解けた跡に群生しているのが見られる。白色の花弁見えるは萼片が緑色に変化した個体で、これは、ミドリハクサンイチゲ f・viridis と言う。日本各地に
近縁種や全く変化種になっているのもある。そうして、東北地方の北方では、エゾハクサンイチゲがあり、四国高山では、シコクイチゲなる花が分布する。
ヨツバシオガマ
OUTLINE DATA :ゴマノハクサ科シオガマギク属で、半分寄生植物であり、イネ科やカヤツリグサ科の植物の根に寄生して養分を分けてもらうため近くに宿主のある草原に生育する。形態:葉が
4枚輪生する花だ。地域に依って、草丈の大小、花色の濃淡等、変異種類も又、多い。花咲く期間は7~8月であって草丈は20~40cm程伸びてくる。この花の名前の由来は、4枚葉が輪生するシオ
ガマの意味で、日本名「四葉塩竈」と書く。シオガマとは、海水を沸かして蒸発させ塩をつくる「竈」のこと。海浜で海水を「竈」で煮て塩をつくる風景は絵になる、そこで生まれたのが、「浜で
美しいのは塩竈」であると。即ち、シオガマギクの仲間は、「葉まで美しい」ことから、「浜で美しい」と耳に聞こえる言葉と同じことに由来した呼び名。 別種 ミヤマシオガマ(ゴマノハクサ科)は
シオガマギクの中でも、一際に色鮮やかな花を付ける。葉は羽状に深く裂け、小葉が更に深裂状でニンジン葉様に細片な切れ込みが特徴である。花は茎の上部に固まって付く。花冠は紅紫色、長さ2~2.5cm、
花の上唇は舟形で尖端に小突起2個付ける。下唇は、筒形で水平に広がり、3裂に深く裂して行く。高山帯の草地に生育する半寄生の植物である、6~8月に花が咲くし、草丈5~20cmである。
ウィキペディアより