小品⑳
小品⑳
散 歩 道
晩白柚
柑橘類のひとつ。ザボンの一品種、ザボンは巨大で皮は厚いが、この晩白柚は、直径25cmになるのも珍しいものではない。香り良し、甘酸っぱい味で、果汁は少ないがサクサク
した歯ざわり、その上食べ頃までの保存期間が1ヶ月程度は置くことになる。日本には、植物学者の島田弥市が、サイゴンの植物園から株を分けてもらい伝わった。しかし、当時は栽
培法がわからず、普及するには至らなかった。1930年に、台湾から鹿児島県果樹試験に白柚の株が導入された。最適産地の八代地区に根付き、改良された結果、八代市特産品となっている。
また、2005年には八代市の農家から収穫された晩白柚が世界で最も重量の重いザボン類としてギネス世界記録に認定。
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タイサンボク
泰山木、大山木、Magnolia grandiflora、モクレン科(モクレン、ハクモクレン、コブシ、シデコブシ、オオヤマレンゲ)の常緑高木。北米中南原産で、花期は5~7月、葉の表面には
光沢があり、裏面は毛が密生しており、錆び色に見える。公園樹として植栽する。放置すると20m以上にもなってしまう。アメリカ合衆国の南部を象徴する花木である。ミシシッピイ州と
ルイジアナ州のに指定。ミシシッピイ州内にはこの木が多いことからタイサンボクの州⇒Magnolia Stateと愛称されている。「花」と共に、ミシシッピイ州の木である。
大輪の花直径 20cm もあり、葉長 20cm 前後、枝はツンツンした伸び方、樹形は乱れる傾向にある。この木は雌雄同株で、萼と花弁の区別無。花被片は9枚、円錐形の花床に雌蕊と雄蕊
がらせん状につく。また、残念であるが、花は高い木の梢に上向きに咲くので、近寄って見る機会が殆どない。香りも良いそうであるがそのチャンスになかなか恵まれない。
ノウゼンカズラ
ノウゼンカズラ科のる蔓性の木花。夏~秋 かけて橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつける。蔓性落葉樹であって気根を出して樹木や壁などに付着して蔓を延ばす。中国原産
で、平安期に渡来してきた。これは、古くはノウセウカズラと呼ばれていた。それが、訛ってノウゼンカズラと。ゼン=「空」「雲」の意味、この事は、空に向かって高く咲く花の姿を
表現している。夏の暑い時期は、花木が少なく、枝を延ばした樹木全体に、ハッとするような鮮やかな色の花を付け、日に日に咲き変える。それで、目立つ。花の形が、ラッパに似ている
ことから英語で、「トランペット・フラワー」「トランペット・ヴァイン」「トランペット・クリーパー」と呼ばれる。
茎の先に房状花序をつける。花冠はラッパ型で先が5片には裂け開く、葉は奇数羽状複葉。蔓は気根を出し固着しながら伸びる。幹はフジと同様に太くなる。樹勢が非常に強く丈夫
な花木であり、地下茎を延ばして、周囲に芽生えさせ、繁殖する。蜜がたれ、周りを湿らすほど、その密にメジロや蜂がが集まってくる。毒性有りといわれるが、根拠無しの俗説・風評。
新梢に房となって花が枝元から次々と咲く、毎日のようにすぐに散る。
アケビ
9~10月頃になると、果皮の表面は紫~赤紫色に色付いて縦に真ん中から割れて中の種子が見えてくる。その種子を包む胎座が甘みを持つので、昔から山遊びする子供の絶好のおやつとして
親しまれてきた。果皮はほろ苦く、内部にミンチ肉を詰めて油で揚げたり、刻んで、味噌炒めにするなど山菜料理として親しまれている。山形県では、農家に栽培されている。スーパーで購入でき
る。東北地方などで、新芽を山菜として利用。秋田県では種を油の原料として料理に使っている。明治以降段々廃っていったが、近年、又、復活してきている。