小品<26>
小品<26>
宇城市 戸馳 花の学校にて
胡 蝶 蘭
ラン科コチョウラン属コチョウラン種。平たい葉を持つ単軸性着生ランで、よく似たファレノブシス・アマビリスと共に洋ランとしてのコチョウランのイメージを代表。白い美しい花
多年性植物で、茎は短直立、上には4枚程の葉を密生、下方から多数の根を出す。根は太く良く伸びる。葉は2列性で折り重なって生じ、楕円形~長楕円形であって表面は緑だ。花茎は茎の
側面から伸びて、斜上して先端は枝垂れ、長さ50cm~80cm 時に分枝あり。先端より10数個の花を付ける。直径7cm程ある。側花弁が幅広く、花全体が丸く感じる。唇弁は黄色、赤味の
斑紋が出る。唇弁の先端は左右に突出していて、巻き髭状になる。東南アジアに分布だが、フィリピン~台湾に自生する。
特 徴 :
①熱帯性植物、寒さに弱いので温度管理が必要。樹木の表面に根を張り、そこから養分を吸収するので着生ラン。空気中から水分吸収し、露出している根が栄養物を吸収している。
②CAM 型植物で、CO2の吸収を夜間に、昼間は光合成。それで、温度が下がり、湿度の上がる夜間に気孔を開いて、CO2を吸収して、株内の水分損失を抑制します。だから、乾燥には
比較的強い。
③一般的に1ヵ月以上花を楽しむが輪数が多い場合は、最初の花と最後の花では2ヵ月以上も違って花が咲く、しかし、全部の花が咲いた状態が長く続かないこともある。
④花は単茎性で茎を中心に左右に葉を展開し、生長は遅く、その条件が良くても1年に3,4枚の葉を出す程度。
⑤2月~3月に花が咲くのですが、温室等の利用から1年中楽しむことが出来る。
⑥現在は、メリクロン苗が多く、実生苗は品種改良する為のみ。
⑦実生苗は、採れた種子から発芽して得られる苗の事で、それぞれの個体により花形・色はさまざまであって個体差が多い。
⑧メリクロン苗は、バイオテクノロジーであって、新芽の成長点を細胞分裂によって増やす。親株と同じ花、同じ性質のものが獲得できる。
⑨国内の従来の造り方は、フラスコ苗を購入、2年~3年で育成出荷だったが、現在は、海外の開花株を輸入して、日本国内では開花処理だけで、それを行って、国際リレー栽培に移
って行くことが増大している。