POST CARD Ⅷ
POST CARD Ⅷ
奇才 曽我 蕭白
ボストン美術館の日本美術コレクションに、ひときわ異彩を放つ・・・曽我 蕭白の作品群の中、「雲龍図」「虎渓三笑図屏風」「(見立久米仙人)ホウ居士・
霊昭女図屏風」は、各々、エネルギーを画面に打ち付けるような直情的画風ですが、そこには幻想的な空気が漂っています。シニカルな眼差しとユーモアが共存する蕭白の初期
から晩年までの作品が揃っている。
「ホウ居士・霊昭女図屏風(見立久米仙人)」
中国唐代の陰者ホウ居士と、その娘霊昭女を描いたとされるが、その目付(眼差し)は好色的な眼差しであること。女性の脛に見とれて法力を失った久米仙人とも見える。
曽我 蕭白のシニカルな眼差しが読み取れる。制作年=1759年(江戸時代・宝暦9年)のわかる最初の作品として貴重。
「虎渓三笑図屏風」(部分)
江戸期・18世紀後半の作。廬山隠棲した東晋の僧侶:エオン(慧遠)のもとを訪れた陶 渕明と陸 修静。話に夢中になった慧遠が俗世に通ずるとして渡らぬと決めた
橋を越えたことに気付いて3人で大笑いした場面が描かれている。この画家は、珍しく穏やかな画風が伺える楽しげな作品。
「雲 龍 図(部分)」
1911年ボストン美術館に収められたときから、襖から剥がされた状態で保管された巨大な龍。今回の修復作業によって、公開可能となった。伝来は不詳、寺院の襖
と考えられる。