小品⑫
小品⑫
ツ ワ ブ キ
キク科ツワブキ属・多年草、イシブキ、ツワとも。「艶のある葉のフキ」から転じての意。沖縄語では「ちぃぱっぱ」。分布:福島県・石川県以西から、四国、九州、
琉球諸島(大東諸島や尖閣列島を除く)や、国外では、東アジア。そうして、低~山地の日陰や海岸などにも多く植生している。これには、ピロリジジンアルカロイド(有毒)を含有。
この植物は、草丈は50cm、地下に短茎、地上は葉だけ出る。葉は枹生葉、葉身は大で、左右に張り出し、全体として円形。長い葉柄を保持、その葉柄は切れ込みが大きい。その上、葉
の中心に付く。フキに類似している。もっと見てみると、葉は肥厚、表面艶有、濃色、また綿毛も多い。花期 10~12月、葉の間を抜けて花茎を伸長。先端は散房花。直径5cm程の黄色
の花を数輪咲かせる。フキが夏緑であり、ツワブキは常緑性。
イ ソ ギ ク
|
キク科キク属の植物、これは、「磯の菊」という意。多年草。地下茎を出して株立ち。葉は楕円形~倒楕円形で、大きく丸い鋸歯が入る。そして厚く、表は緑色だが、
裏側は白い毛が密生す。花期は10~12月。多数の頭花を散房状に着ける。花は筒状花のみ、舌状花は無。外側に花片状の花が並び密生しない。各地で、栽培されている。千葉~
静岡とか、伊豆諸島の海岸では自生種を認める。
ノ ジ ギ ク
キク科キク属の多年草で野菊の一種、牧野富太郎の発見・命名、日本在来種であって、兵庫以西、四国・九州の瀬戸内海・太平洋沿岸近くの山野などに自生している。
50cmの草丈、枝分かれして群落を作る。茎の基部が倒れて、上の方は、斜上する。傾斜地は、懸崖状。葉は互生し、3.5cm長。幅は、2.4cm。形は広卵形。5(又は3)が中裂・鋸歯状
を呈す。裏側は毛が生えて白く見える。短日植物といわれるが11月下旬から12月に咲きだした。3~5cmの花(頭状花房)を付け、白色の舌状花は赤みを帯びる。種子は春に、発芽、
越冬した茎から新芽が出て大株を形作る。小菊の原種の一つである。
|
|
ヨ メ ナ
キク科の多年草、道端で見かける野菊の一種。分布:本州中部以西、四国、九州に、ごく普通に生えている。山間でも、やや湿潤な場所ではある。花は、秋に薄紫か白色が
咲く。地下茎、小さな群落、茎高は50~100cm位、上方は枝分かれして、小さな茂みを作る。葉は卵状、楕円形、粗くて低い鋸歯である。葉→深緑色。艶→あまりない。花→外側には、サジ
型の白い舌状花が並び、内部には黄色の管状花が密生している。
サ フ ラ ン
西南アジア原産で、最初の栽培は、ギリシャである。アヤメ科の多年草。この名称は、アラビア語から出たもの、「黄色」の意味を持つ。<<利用>>:香辛料・生薬 <<成分>>
:α、β、γーカロテン,他に色素配糖体のクロシン、無色で苦味配糖体のクロクロシン、精油(8~10%・テルペン、テルペンアルコール、エステル)、クロセチンを含む。 ※クロセチン
→水溶性で油に不溶。香りの主成分はサフラナール。