小品<21>
小品<21>
ゴマダラカミキリ
甲虫目、カミキリムシ科に分類され、甲虫の一種。大型でいろいろな樹・木を食べるため、日本に分布するカミキリムシの中で最も広く知られた種。成虫の体長は、2.5cm
~3.5cm、全身が黒い、前翅は光沢のある黒色に白い斑点が並んでいてよく目立ち、前翅以外余り光沢なし、腹側や脚は青白い細かい毛で覆われる。触角は体長の1.5倍 3.8cm~
5.3cm程度。触角を形作る各節の根もとにも青白い毛があるため、黒と青の縞模様に見える。
幼虫・成虫とも生木を食べるが、食樹木が、非常に幅広い、ミカン類、ヤナギ、クリ、クワ、イチジク、プラタナスなど多岐に亘っている。果樹や街路樹として利用される木
にやってくる。都市部でも観察でき、大型で目立つ体色となっているのである。成虫の発生期は6月~8月に発生。彼等の活動は、昼夜区別なく何時でも、動いていたり、木を喰って
いる。食樹の葉、若枝のみずみずしい樹皮を齧って食べる他、食樹の周囲を歩いたり飛び回ったりする。夜灯火にも飛来する。
交尾を終えた♀は生木の樹皮を齧って産卵し、幼虫は生木の材部を食べて成長する。幼虫は、成長すると木幹内部を降下し、主として根株の内部を食い荒らす。成虫になるのは、
個体により差がある。1年かかるもの、2年かかるものがいる。幼虫が侵入した木は幼虫の活動によって、木幹に穴があき、木屑や樹液が出るようになる。蛹を経て羽化した成虫は木幹
に円形の穴を開け、木の外へ姿を現す。
幼虫が材部を掘り進むと、直径1cm~2cm程のトンネルが出来、木の強度は低下して、折れやすくなる外、ダメージを負った木は成長不良に陥り、木枯現象になっている。果樹も、
街路樹も被害が出ることもあり、ミカン農家では、重要な害虫の一つとして警戒されている。